肉桂の根っこ・ニッキ
肉桂の根っこ・ニッキ
歳をとるとあまり刺激の強いものを口にはしたくなります。
たまたま目にしたニッキ飴を久しぶりに買ってみました。
ニッキというのは房総半島や伊豆半島など本州中部以南の暖地に
生育する肉桂(ニッケイ)の木の根っこのことです。
肉桂の木の地上部は味も香りも悪いため、
根っこの皮が使われています。
細い根ほど精油含有量が高く、
とても貴重で高級品となっています。
樹皮を使うシナモンと違って、肉桂は大木に育った木の根を掘り出し、
糸のように細い根っこまで丁寧に集めるわけですから、とても手間暇が
かかりすぎます。
それに比べてシナモンが安価で輸入されているわけですから、
あえて肉桂を生産することもなくなっているようですね。
シナモンや肉桂を染色材料として染めてもあまり魅力的
とは思わずあまり草木染には利用していません。
しかし、肉桂も屋敷内に増えて困るほどで
なるべく小さな苗のうちに抜いていました。
かなりの大木となるため躊躇していましたが、
途中で止めれば栽培してもいいかなあなんて
心が変化してきました。
それでも、お天気が悪いのにニッキの枝をバサバサ切り落としました。
樹齢20年ほどの木を生育させたとしても、
根っこを掘り出してニッキをかじるまで
には果たして何十年かかるのでしょう。