葛・クズ
葛・クズ
葛はマメ科の多年草植物で、その生命力の強さといったら日本全国に自生するほどではないでしょうか。
毎年晩秋から冬にかけて、国産の良質な葛澱粉を蓄えた深山の葛の根っこを人の手で掘り、葛澱粉を抽出し、自然の水で精製された葛粉の美しさといったら何とも言えぬ寒晒しの白さです。
葛といえば吉野葛が有名なのではないでしょうか。その本物の吉野葛で葛湯を飲みながら、葛粉のことではなく染料植物としての「葛の茎葉」について記したいと思います。
葛は各地の野山、空き地に自生していますが、茎がつる状で葉っぱは大きく互生して少し長い枝柄のある三出葉です。
一般的には、夏場に染めることが多いのですが、葉柄が出始めたころから大いに利用できます。 しかし、5月頃に染めるのと夏場に染めるのとでは少し色合いの出方が違ってきます。
普通に染めると極薄の萌木色のようで、シルクオーガンジーを染めると何とも言えぬ品の良さがあります。 そのまま染める場合は、何度も染め重ねて仕上げたほうがよいでしょう。
でも、アルカリ抽出すると、よく染まり、灰黄味がかった草色でしっかりとよく染まります。
あなたの家の周りを散策して、葛があれば葛の緑葉をたくさん採集し染めてみてはいかがでしょうか。
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