藍を種から育て藍染めを楽しみ、身近な草木から自然の色を染める。藍や草木染めの染色の基礎を知り・学び、創る喜びを共に。

すくもつくりと灰について

すくもつくりと灰について

昨年は9月にスクモつくりをしたのですが、
昨年参加キャンセルした人が、今やりたいと
申し出があったため、急遽、つくりはじめました。

東京から電車ですから、毎日は来れない。
Mちゃんは、週6回通ってきたので、
なんとかなったんですけどね。

さて、どうしようかと考えながら、週2回ほどでも
できるようにちょっと工夫して受けることにしました。



ちょっと脳ミソを使ったので、これも老化防止策か。

何しろ自宅では、スクモを作るスペースや小屋など
ないのですから、自分の部屋でやってもらうしかない。

私も並行して、同じ分量だけスクモを作ることにしました。

スクモつくり1



彼女の藍の乾燥葉は、お母様が余分な茎や葉脈の芯まで
取り除いたので、不純物が少し少ないです。
ただし、数年かけて採りためたものらしい・・・

私のは、葉脈の芯が入って、葉の形そのものです。

スクモつくり2



スクモつくり3



微妙な違いがあるので、使用する水の分量が違う・・・
天候、湿度も関係するしね。



草取りや野菜の種蒔き、野菜苗の移植、藍の移植など、
大変忙しい中、やりはじめたのでくそ意地ださないと。

立ったり、歩いたり、鍬で耕したり、
自由に体を十分働かせることができたら・・・



もんちゃんも何やらインドから関税を
払って取り寄せたらしい・・・
勉強のためにも、それを何とかしたいと。

色素の含有量は少ないと思うんだけどね。
人それぞれ、自然環境にあったもののほうが利用しやすいが、
勉強のために何とかしたいと言われれば、やるしかない。



さて、できたすくもの灰汁建てをするわけですが…



植物染料はそれぞれ成分が異なるため、媒染剤としての灰も
それぞれに適したものを使う必要があります。

この数年、「紫根染め」をやりたい人達がいるため、
椿の灰つくりに難儀することがあります。

我が家の庭にも椿の木は数本ありますが、
大剪定すると、2~3年は椿灰が作れません。

昨年受講者たちは、軽トラックを刈りて東京から筑波まで
椿の枝葉をもらいに行き、燃やす場所がないため、結局、
当方まで運び入れたことがあります。

時間的に燃やす時間がないので、雨除けのシートをかけておき、
私が一人で燃やす羽目になりました。

椿の灰つくり1



椿の灰つくり2



煙がすごいから、いくら田舎でも住宅街ですので
あまり燃やすことはできなくなっています。

朝から燃やすとご近所で洗濯物を干してあったり、
布団を干してあったりする場合があるので、夕方、
薄暗くなってから、朝方までに終わるように燃やしています。

しかも、火事と間違えられない程度に。

落ち葉を燃やす程度なら許容範囲とか。



媒染剤として使用される灰の種類は、いくつかありますが、
当方で用いるのは、アルミニウム分を含む椿や楸の灰と
炭酸カリウムを含む藁灰、樫木類の灰、時折、かまどの灰です。

それぞれ燃やし切れば白灰となりますが、
藁は赤々と燃えているときに黒灰とします。

これらの作業は、時間もかかり、かなりの肉体労働となります。
環境問題もあり、これからはなかなか灰を作ることもできなく
なる可能性が強いですね。



先日も「紫根」を椿灰の灰汁を用いて染めたのですが、
そもそも紫の染料作りにも時間がかかるし、保管して
おいた灰で灰汁を作るにも時間がかかります。

一番最初は、とにかく紫の染料の抽出方法と
染め工程を覚えてもらうのですが、ちょっと
油断すると、黒変してしまう・・・

ある程度工程を覚えた受講者は、
できるだけ多く染めたい!(笑)

多く染めたければ、手際よく染めなければならず、
ご飯なんか食べている暇はありません。



紫は染料の抽出方法がいくつかあり、
染める温度も気を付けなければなりません。



また、紅花も媒染剤として灰を用いる場合は、藁灰を使います。
始めて紅花を染めるとき、灰汁媒染でやりたいと申し出る人がいます。
しかも、灰汁つくりもやりたいと・・・



本や雑誌などを見て、「ああしたい・・・こうしたい・・・」
と、思いを巡らせるのでしょうね。

1日でできる作業ではないのですが・・・

紅花染めが未経験であれば、
まずは紅花の染料作りを覚えてもらわないとね。



藁灰も炭酸カリウム分を含むわけですが、珪酸分が多いので
一番灰汁の用い方と二番灰汁、三番灰汁の用い方が違います。

昨年は田んぼに入れず、藁を束ねることができず、
あと少ししか残っていません。
この夏は何とか切藁だけでも集められれば良いのですが。

媒染剤としては用いないのですが、肥料だけでなく、
利用価値大の燻炭も自宅では作れなくなっていますので、
在庫分がなくなってきたらどうしようか。



藍、スクモの灰汁建ての場合は、主に樫木類などの堅木
を燃やした灰を利用して、灰汁建てします。

樫木類の伐採枝などめったに入手できないので、
今年建てる分くらいは何とかなりますが、そのあとは
何とかしなければなりません。



藍の灰汁建ても簡単にできると思っている人が多くおり、
気のみはやる気持ちがほほえましく感じています。

竃にくべる薪は、庭木の剪定枝で、桜、梅、マキ、杉、ニレなどで、これらももうそろそろなくなりそうで、薪集めもしなければ・・・

灰つくりも今後難儀しそうです。


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