手織り綿の柿渋染め
手織り綿の柿渋染め
このところ柿渋染めが続いています。
染め重ねる際は、しばらく期間を開けたほうがいいので
次のために手織り綿を精錬もしています。
布を精錬する際には強アルカリ剤は使用せず、
ほとんど灰汁精錬をしています。
PH調節はするけど、薬品よりはやや低いんですよね。
でも、そのほうが自然だし、廃液はそのまま庭に捨てられるし、
何より、助剤を買う必要はないんですからね。
さらに、灰汁を利用した鍋などは、もともとが自然の洗剤、
アルカリ液なんだから、タワシでさっとこするだけで落ちちゃう。
それでも落ちにくい場合は、釜戸の灰を使ってます。
ただし、その灰汁を作るためには労苦も伴うわけです。
1か月は灰をかぶった女になりますからね。
植物繊維は一部の染料を除いて染まりにくいため、
そのまま染めたのでは薄い色にしかなりません。
濃い色を染めたい場合は、同じ工程を繰り返し、
期間をかけて染め重ねなければならないのです。
ですから、最初から濃い色を求める場合は、
前処理として濃い染め処理をします。
この処理の仕方や濃度によって、染まる色が違います。
これらの柿渋染めの綿布は、手紡ぎ手織り綿の各種ですが、
前処理が違うものと、染料の濃度が違うもの、染料の作り
かたの違うもの、もちろん、媒染剤の濃度も違います。
ですが、同じアルミ媒染なんですよ。
いろいろな色の幅が出るでしょ。
しかも風合いも微妙に変化させられるんですよ。
1回の柿渋染め講習だけでは、いろいろな変化を
楽しむことはできませんが、あとは記録を取りながら自分で染めればいい。